ケンメリとはどんな車?伝説となった名車の魅力、名前の由来など解説!

ケンメリとはどんな車?伝説となった名車の魅力、名前の由来など解説!

これまでの歴史において数々の名車とよばれる自動車が存在しますが、その中でも「ケンメリ」と呼ばれる車は独自の魅力である意味、伝説的な存在となっています。

「ケンメリ」とは、日産自動車が1970年代に製造・販売していた4代目スカイラインの愛称です。この記事ではケンメリの起源や名前の由来、特徴、人気の理由などを紹介しながら、その魅力を探っていきます。

ケンメリとは?

「ケンメリ」は、日産自動車により1972年に発売され1977年まで製造・販売されていた、4代目のスカイライン(C110型)の愛称です。現在の旧車ブームによって「ケンメリ」の人気も高くなっています。

ケンメリはどんな車?

「ケンメリ」の愛称は当時流れていたCMが由来です。「ケン」と「メリー」がスカイラインに乗って日本全国を旅するというもので、このCMがきっかけで「ケンメリ」と呼ばれるようになりました。

約4年の販売期間だったにもかかわらず、デザイン性の高さやニーズに合わせた豊富なラインナップなどが人気を呼び、およそ67万台が生産され、スカイラインシリーズの中で最高販売台数を記録しました。

当時と今では時代が違うため単純に比較はできませんが、2019年に最も売れた車であるトヨタ・プリウスの販売台数が約12万台と考えると、ケンメリの人気ぶりがわかるのではないでしょうか。ケンメリの特徴は丸型4灯のテールライトで、その後スカイラインの象徴になりました。

スカイラインの歴史

スカイラインは1966に日産自動車が吸収合併したプリンス自動車が生産していた車で、引き継いで現在まで生産・販売されており、トヨタのランドクルーザー、クラウンに次ぐ歴史があります。スカイラインシリーズではほかにも愛称がついているモデルがあります。

1969年発売の3代目スカイライン(C10型)が「ハコスカ」(箱型のスカイライン)、4代目のケンメリのうち、4ドアGTモデルは「ヨンメリ」と呼ばれているのです。5代目(C210型)が「ジャパン」(CMのキャッチコピーから)、6代目(R30型)「鉄仮面」(騎士の鉄仮面に似ているから)、7代目(R31型)が「7th(セブンス)スカイライン」と呼ばれています。

グレードによる違いがある

ケンメリにはエンジンの性能によってGL、GT、GT-Rの3種のグレードがあり、GT-Rはスカイラインの中の最高グレードです。GT-Rが設定されたのは3代目スカイライン「ハコスカ」からで、GT-Rのスカイラインとしてケンメリは2代目になります。

GLにはG16型(G18型)というエンジンが使われており、これはプリンス自動車工業時代からの歴史あるものでしたが、排ガス規制によりL16型(L18型)やL20型、L20E型に改良され搭載されるようになりました。GT-RにはハコスカGT-Rと同じS20型エンジンが使用されています。

ちなみにGTは「グランドツーリング」の略で距離が長くても快適に走れるという意味です。GT-Rはそれにレースの頭文字のRを加え、高いグレードのモデルであることを示しています。

ケンメリはなぜ人気なのか

ケンメリは現在でも高い人気を保っており、オークションなどにおいても高値で取引されています。その理由はどこにあるのでしょうか。

希少性

ケンメリは生産・販売期間が短かったことで希少価値が高く、中でも1973年に発売されたケンメリGT-Rはとくにその価値が高くなっている車です。

ケンメリGT-Rは高速での走行に応えられる上級グレードのケンメリで、サーキットでの活躍を期待されていた車でしたが、結局レースに出場することなく生産は終了となりました。ケンメリGT-Rは幻のGT-Rと呼ばれており、その理由はわずか4か月間の限定生産だったことによる販売台数の少なさで、一説には200台以下と言われています。

1970年代に入ると排ガス規制が厳しくなり、ガスの排出量が多いスポーツカーの販売が規制され、ケンメリもその影響を受けたのです。

すぐれた広告戦略

ケンメリの先代、3代目スカイラインは「愛のスカイライン」という優しさを打ち出したキャッチコピーを採用していたものの車自体は硬派なイメージでした。4代目であるケンメリではキャッチコピーはそのままに、イメージをケンとメリーのカップルを起用してソフトな印象に変えたところ、CMだけでなくCMソングも大ヒットしました。ノベルティのTシャツも大人気となり一大ブームを巻き起こしたのです。

学生運動などで暗くすさんだ60年代の雰囲気に辟易していた大衆は、やさしいものを求めていました。世の中の空気を読んだマーケティング戦略は大衆の心をつかみ、幅広い年代層の人気を獲得することにつながったのです。

魅力的なデザインや内装

硬派なイメージの先代ハコスカと比較して、ケンメリは全体的に直線的な雰囲気でありながら同時にしなやかさも感じるより洗練されたデザインです。フロント部分のフラットなボンネットでスポーティーなイメージも強調するものとなっています。

ケンメリは「愛のスカイライン」のキャッチコピーにふさわしく、スタイリッシュで都会的なイメージの車であり、そのデザイン性は現代でも高く評価され人気です。また内装はスポーティーな外観からは想像もつかないほど落ち着いたインテリアとなっており、シートは長距離のドライブでも疲れにくい座り心地になるよう工夫がされています。また、レース仕様のメーターなど本格的な装備と優美なデザインとの対比も独特の魅力といえるでしょう。

旧車市場で人気のケンメリ

ケンメリは希少価値が高く、旧車ファンの間でいまだその人気は衰えることはなく発売から50年を超えた今でも需要がある車です。

高値で取引されるケンメリ

当時から人気だったケンメリは、今もなお旧車市場ではGT-R以外のモデルでもその希少性のため高値で取引されています。ケンメリGT-Rの場合希少価値が高すぎるため、超高級車が買えるほどの価格で取引されていることが多いでしょう。

ケンメリをレストアして楽しむ

旧車市場での人気が続くケンメリですが、状態が良くないケンメリを購入して、レストアするという楽しみ方もできます。レストア(=restore)とは英語で復元する、復活させるという意味です。とくに車をレストアすると言う場合は、旧車など製造後長い年月が過ぎた車を乗れる状態に修理で戻すことを指します。製造から時間が経過すると車の部品は劣化するため交換が必要ですが、旧車は部品以外の部分も劣化していることがほとんどです。

ケンメリのような旧車には独特な魅力があり、レストアして乗る方もいます。レストアのメリットは最近の車にはないクラシックなデザインの車に乗って実際に走れることです。かかる時間や費用を節約しながらもとの車が持つ雰囲気を壊さずレストアする方法として、ボディはオリジナルのものを使い、エンジンや足回り、ブレーキなどは新しいものに替え、パワーステアリングやエアコンをプラスするというものがあります。

まとめ

ケンメリは1972年に発売された4代目スカイラインの愛称です。ケンメリは生産・販売されていた期間が短かったにもかかわらず、洗練されたデザインや時代にマッチしたマーケティング戦略により多くの人の心をつかみ、今もなお人気を維持しているという点で歴史に名を刻む伝説的な車となりました。車や旧車が好きな人々にとってケンメリは乗り物以上の存在であり愛着と情熱を抱く対象となっているのです。

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