有名な車種のもととなったハコスカとは?その種類と魅力を解説!

有名な車種のもととなったハコスカとは?その種類と魅力を解説!

日産自動車が生み出した往年の人気車種といえばスカイラインでしょう。このシリーズは1957年に初代が世に出てから、長い間シリーズの車種が登場し、多くのファンに愛されてきました。そのシリーズが爆発的な人気のもととなったのが「ハコスカ」です。今回はハコスカについて紹介します。

ハコスカとは

ハコスカは日産自動車が製造していたスポーツカー「スカイライン」の3代目である、C10型の愛称です。ハコスカが販売されたのは、年代的には1968年から1972年のたった4年間しかありません。

デザインの特徴は、角ばったボディです。その「箱型のスカイライン」から、「ハコスカ」の愛称となりました。また、CMのキャッチコピーであった「愛のスカイライン」が広まり、人々の人気につながりました。ハコスカはGT-Rの発祥となり、今に至っていることからも、影響力のあった車種といって良いでしょう。

ハコスカのそれぞれの型式

ハコスカはいくつかの車種の総称です。次に、ハコスカのそれぞれの車種とその特徴について紹介します。

スカイラインC10型

長いスカイラインの歴史の中で、3代目スカイラインの誕生は一つの大きなトピックであったといえるでしょう。1968年にその初めての車種であるC10型が誕生しました。この車種のテーマは「ファミリーユースとスポーツ性の両立」でした。この型式の車はセダンタイプで、エンジンは1500ccのG15 型を採用していました。この車種の特徴としては、1500ccクラスの車では初めてディスクブレーキを搭載したことです。

スカイラインGC10型

このタイプは1968年に発売された車種です。この車種は当時東京モーターショーに出品されました。この車種は、レースに使用されることも見越して製造されていたからです。そのためエンジンはレースにおいて最大の性能が出せるよう開発しています。この特徴が、後にGT-Rを生み出すことになります(「R」はRacingの頭文字)。

GC10型のエンジンはL型6気筒エンジンで、1500ccのモデルが最初であり、後に2000ccのモデルも追加されました。この車種は、ファミリーカーとスポーツカーの両方を引き立たせるという革新的な車種である印象が強いかもしれません。

スカイラインPGC10型

このタイプは1969年に登場しました。前車種のGC10型をベースにしてさらに開発を行い、2000ccエンジンであるS20を世に出しました。これを搭載したのが有名なスカイライン2000GT-Rでした。これはハコスカの中でも強力なエンジンのひとつであり、世界でもトップクラスの技術を誇る高回転型エンジンでした。この車種は人気が高く、800万台以上の販売台数となりました。

スカイラインKPGC10型

この車種は1970年のモデルです。この車種は今までの車種の外観を大幅に変え、クーペに変更し、外見がよりスポーティーに見えるようになりました。ホイールベースを70mm短く変更し、2ドアハードトップボディを実現したのが特徴です。

エンジンにも特徴があり、ツインカムエンジンと呼ばれるタイプのS20型の直列6気筒DOHCエンジンを搭載することで、パフォーマンス性が格段に向上しました。実際に2000GT-Rがレースの世界で覇権を握っている中でKPGC10型も参加するようになり、国内ツーリングカーレースにおいて通算52勝、連勝記録49勝という、史上まれに見る記録を立てました。それもS20型のエンジンが勝利の後押しをしてくれていたのです。

ハコスカの運転の感覚

車の魅力の一つは、運転する時の感覚でしょう。ハコスカの運転性能はどのような感じであるかを紹介します。

視界が広い

ハコスカは車体が四角いフォルムになっていたため、デザインが直線的で、視界を遮るものが少なかったために、運転席からの景色は広々としていて運転しやすかったとする人が多く存在します。

一歩先を行くエンジンによる快適な走り

ハコスカに搭載されてきたエンジンは、走行性の高いものばかりでした。とくにKPGC10型は、最高速度200km/h、停止時から最初の400m走行は16.1秒という優れた性能をもっていました。それはS20型エンジンによるものです。

安定感がある

ハコスカは、重量的には軽く、ハンドリングをうまくできるのが長所です。そのために、コーナリングの際、車の安定感がよく、運転していて楽しさを感じる性能がありました。またサスペンションは今までにない、前後でそれぞれ別々のものを採用しているため、多少道路環境が良くなくても、それにうまく対応できるシステムでした。

ハコスカの持つ魅力

ハコスカは多くの人に愛されてきました。いったいどういった所がユーザーに喜ばれ、ハコスカが魅力あふれる車種として支持されてきたのでしょうか。次にハコスカの持つ魅力について解説します。

走りを楽しめる

今の車は、操作性が楽になり、性能も高くなり、非常に快適に走ります。けれども、ハコスカが普及していた時代は、まだそのようなドライバーに優しい車はありませんでした。ダブルクラッチ仕様で、ステアリングが重く、ブレーキの効きが今ほどではないといったものでした。つまり、現代の車に比べると、運転技術が求められる、玄人使用の車となっています。

車がマニュアル車からオートマチック車に変わった時、車の運転が物足りないと感じた人は一定数いました。同じように今の車と比べると、ハコスカの運転は、いわゆる、「車を操作している」ことを十分に感じられるのではないでしょうか。そういった細かい仕様が、コアなファンが多い所以と言えるでしょう。

所有する喜び

本当に良いものは持っているだけで満足や充実感がもてます。ハコスカが販売されていた当時、買うにはハードルが非常に高いものでした。当時のハコスカの価格は、大卒初任給のおよそ100倍。それだけでも大変なのに、さらに維持費となれば、大変な費用がかかった事は想像し易いでしょう。

しかしその分、ハコスカに対して、より深い愛着をもった人も多かったのではないでしょうか。そういった歴史的な背景があるため、現在でも憧れている方が多く、今なお愛される車となっているのです。

改造する楽しさ

ハコスカで使用されているエンジンは、S20 型とL型の2種類があり、そのうちとくにL型エンジンは自分なりのチューニングをする人が目立ちました。今の車では滅多に見られませんが、自分好みに車をいじって、カスタマイズさせる楽しみがハコスカにはありました。

車をカスタマイズできるというのは、今では想像もできませんが、明らかにハコスカは持ち主に大切にされ、愛着を持たれたに違いありません。この点が評価されているのか、現在に至ってもハコスカの改造を楽しみとする愛好者が後を絶たない、という現象が続いています。

まとめ

「ハコスカ」は、車社会の日本に多くの可能性を国民に与えた車で、多くの人々に愛された車種の一つと言えるでしょう。だからこそ、今でもそのシリーズは脈々と続いており、過去のさまざまな性能を引き継ぎつつ、今も進化を遂げています。旧車ならではの堂々としたフォルムや懐かしい外観は、多くの人を今も魅了しているのです。乗りづらさや技術の必要な旧車ですが、さまざまな楽しみ方のあるものとなっています。ぜひ、自分だけの愛車を見つけてみませんか。

「川西自動車整備工場」は、奈良県磯城郡にある、旧車専門の買取・販売などを中心に手掛けています。長年の信頼と実績で、旧車の魅力を一人でも多くの方に感じていただけるよう、日々取り組んでおります。旧車の買取や購入をご検討されておられる方は、ぜひお気軽にお問い合わせください。誠意をもってお応えいたします。

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